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Dropboxのプラットフォーム化が目指す「同期」の未来

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先週月曜日のポストでは、Dropboxが米国時間の7月9日に同社が初めて開催したデベロッパー向けカンファレンス「DBX」発表した「Dropbox Platform」戦略と、その一端を示す「Datastore API」や「Drop-ins」の機能などについてご紹介しましたが、今回はこうした新しい戦略を打ち出したDropboxがこれからどのような事業を展開するのか考察してみます。

BaaSを志向し始めたDropbox

すでに米Yahoo!の「Yahoo! Mail」やDropboxが4月に買収した人気のGmail用iPhoneアプリ「Mailbox」には、「Drop-ins」を活用したDropbox上のデータのメール添付や保存ができる機能が実装されていることからも想像できるように、ストレージサービスとアプリケーションの連携を強化していく姿勢を鮮明に打ち出したことで、今後DropboxはBaaS(Backend as a Service)、もしくはMBaaS(Mobile Backend as a Service)と呼ばれる領域を開拓していくようです。

アプリケーション開発に携わっている方はすでにご存じのことかもしれませんが、BaaSというのは、ユーザ認証やデータ保存、他のソーシャルサービスとの連携などに必要なサーバ側の処理機能をクラウドサービスとして提供するもので、SaaS (Software as a Service)やIaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)に続く、クラウドコンピューティングの新たな潮流として、注目を集めはじめているキーワードです。
ここ1~2年ほどBaaSが注目を集めているのは、モバイル向けのアプリ開発者が爆発的に増加したことと無関係ではありません。

小さな開発会社の場合、ひとりのエンジニアがフロントエンドとバックエンドの開発を兼任するのはそう珍しい光景ではありませんが、担当するエンジニアにとっては別々の技術を駆使しなければならないような状況は、心理的にも大きな負担になり作業効率の低下を招きます。

また外注先に開発を頼むという選択肢も、開発予算が限られている企業にとっては、コストの増加という別の課題を生む要因にもなりかねません。BaaSは、こうした悩みに応えるサービスとして、これから大きな成長を見込まれているのです。

目指すは「保存」から「同期」へのパラダイムシフト

いまのところ「Datastore API」や「Drop-ins」で実現されるのは、アプリケーションが利用するコンタクトリストやToDoアイテム、またゲームのセーブデータなど、ファイル化されない構造化データの同期や、アプリケーション側からDropbox上のデータ利用に限られますが、これからますますモバイル向けアプリケーションの開発ニーズが広がり続ければ、Dropboxが自社サービスへの連携拡大のために、公開するAPIを多様化させることも十分に考えられるでしょう。

実際、同社のドリュー・ヒューストンCEOは、前述のDBXの席上で「同期」を「保存」に代わる利便性の高い機能であると定義した上で、ユーザにいままで以上の快適なサービスを提供する旨の発言をしています。これはもちろん、従来のPCと違いファイル階層を意識することなく利用できるスマートデバイスを念頭に置いての発言なのは言うまでもありません。

現在、Dropboxのユーザ数はおよそ1億7500万にもおよび、Dropbox Platform上のアプリはすでに10万を超えていると言います。

これから、Dropboxが単なるストレージサービスから、マルチアプリ・マルチデバイス対応のプラットフォーム型の同期サービスとして、Dropboxがどんな形に進化するか、同じ同期サービスを手掛けるSynclogue(シンクローグ)としても注目していきたいと思っています。

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